第1章 新入部員たち
早朝練が終わった後
いつも通りの朝練が始まる。
早朝練の痕跡は消したが大地さんにバレるのではないかと気が気でなかった。
が、なんとかバレずに朝練を終えることが出来た。
そして、私たち学生の本業と言われる勉強をする時間…授業が始まる。
田「ぐぉぉぉぉ…」
((………このハゲ寝てるし))
私と田中は同じクラス。
そして、なんの因果か私の席の前がこのハゲ。
朝練が終わって教室に着いてから今まで
ずっとこの調子だ。
よだれを垂らして気持ち良さそうに眠ってる。
いつも遅刻ギリギリの田中が
5時に学校に来たんだから疲れているんだろう……
でも、今は…………
先生「コラ!田中!!!起きろ!!!!!」
………授業中だ。
先生の声にも反応を示さず今だに夢の国にいる模様。
先生「………佐倉…頼む」
『はーい….
起きろ!このハゲェッ!!!!!』
バコーンと私は丸めた教科書で田中の坊主頭を
思いっきりはたく。
田「うぐっ!いってぇーーー!!」
『授業中に寝てんのが悪いんですよー』
私が起こしたこともあり
田中は授業に参加。
と、思ったら
またこの男は性懲りも無く寝始めた。
『…………はぁ』
私は、小さくため息をついた。
そして、昼休み。
仲の良いクラスの子とお弁当を食べ終え
ジュースでも買ってこようと教室を出る。
その時、大口を開けて寝ている田中の顔に男子たちが
落書きしようとしているのが見えた。
私はその行為を止めることをせず
その男子たちにグッと親指を立てる。
そして、今度こそジュースを買いに向かった。