第3章 VS青葉城西
第2セットが終わり、ベンチに戻ってくる皆にタオルとドリンクを渡していく。
『お疲れ様です!どうぞ!』
澤「おう、サンキュ」
ドリンクを飲む大地さんにスガさんが話しかける。
菅「向こうに…影山みたいやサーブ打つ奴居なくて助かったな…」
澤「…あぁ…ウチはお世辞にもレシーブ良いとは言えないからな…」
2人のそんな言葉に私は口を挟む。
『あの、そのことなんですけど…』
影「油断だめです」
ほぼ同時に影山も口を開いた。
((…多分、影山も同じこと言おうとしてるな……))
影「多分…ですけど…」
『多分っていうか絶対に』
影「『向こうのセッター…正セッターじゃないです』」
「「「えっ!?」」」
ピーーッ
第3セット開始の合図のホイッスルが鳴ると同時に
黄色い歓声が体育館に響き渡る。
「「「キャーッ♡及川さ〜〜ん!!」」」
((!!!!? ))
その声が聞こえた瞬間、私はすぐさま月島の後ろに隠れる。
月「ちょっと!またデスか……」
『いや、今回は本当にお願いします月島さん!お願いです!隠れさせてください!!!』
月島の背中から少し顔を出し、奴の様子を伺うと
女子たちに笑顔を向け手を振っていた。
((…相変わらずだな))
田「影山くん、あの優男だれですか ボクとても不愉快です」
そんな様子を見ていた田中が血走った目で影山に問いただす。
影「…"及川さん"…
超攻撃的セッターで攻撃もチームでトップクラスだと思います。
あと凄く性格が…悪い」
田「お前の知り合いてことは北川第一の奴かよ?」
影「…ハイ 中学の先輩です」
そんな時、アイツが影山に話しかけてきた。
『!!?ヤバイッ!!』
私は、顔をすぐ引っ込める。
及「やっほー トビオちゃん、久しぶり〜育ったね〜
元気に"王様"やってる〜?」
影「…俺…サーブとブロックはあの人見て覚えました。実力は相当です。」
及川は、監督にアップを取ってこいと言われ
その場を立ち去る。
((ふぅ…やっと行った……か!!!?!!))
安心して立ち去って行く及川を見やると
及川と目が合ってしまった…
すぐ目を逸らしたものの
確実に今、私の存在を確認された。
『……最悪だ………………』