第1章 新入部員たち
翌朝6時頃
いつもより1時間ほど早く学校に着いた私。
その理由は、昨日挙動不審だった田中にある。
あ、田中と言えば
昨日の帰り坂ノ下商店で肉まん奢らしました!
でも、干し芋も奢らそうと思っていたのに
お気に入りのメーカーの干し芋が坂ノ下商店から姿を消した……
本当にショックで坂ノ下のお兄さんに問いただしたら
「うるせぇ!」って一蹴されました。
全く酷い話だ………
そんなショックな出来事を思い出しながら
第二体育館へと足を進める。
すると、少し先に見知った白くてふわふわした頭が見えた。
((あ、あの頭は…!))
『スガさーん!おはようございまーす!』
菅「!!
おお、佐倉かビックリしたー」
私の声に驚いてバッと後ろを振り向いたスガさんは
安心したように言った。
こんな時間にスガさんがいるってことは……
『もしかして、スガさんも……』
菅「ん?あぁ、昨日の田中が怪しかったからなー
お、やっぱやってんな」
スガさんの目線の先には
明かりがついた第二体育館。
そして、ボールが床に跳ね返される音も聞こえてくる。
『田中たち驚くだろなー』
菅「だべ」
顔を見合わせて悪戯っ子の様に笑い合い
私たちは体育館へ入っていく。
菅「おース」
『おはよース』
田「!?スガさん!?佐倉も!?
なんで…!」
案の定、私たちに驚く田中は
オーバーすぎるリアクションをする。
影山と日向も驚いた様な表情を浮かべてる。
菅「だってお前昨日明らかに変だったじゃん」
『そうそう!
いっつも遅刻ギリギリのくせに鍵の管理しますだなんて
言っちゃって』
田「えっ…!?あっ…!くっ…!」
菅「大丈夫大丈夫
俺も佐倉も大地には言わない!
なーんか秘密特訓みたいでワクワクすんねー」
『秘密特訓!うぉぉ、なんかその響きかっこいいですね!』
私たちの言葉にホッとした3人。
菅「んじゃ、時間もないし練習再開すんべ!
俺は日向のレシーブ見るから
影山と田中はスパイク練な!」
「「「うス!」」」
『あ、じゃあ私ボール出しする!』
田「おー頼むぜ!」
影「お願いします」