第1章 新入部員たち
試合は北川第一からのサーブで始まった。
そのサーブをなんとかレシーブを上げた雪ヶ丘はボールを繋いだ。
そして…
「「「うおっ!?」」」
『とんだっ…!!!』
雪ヶ丘の1番日向がその小さな体を物ともせず飛んだ。
が、そのスパイクは意図も簡単にブロックに止められた。
その後も日向のスパイクは
ブロックに止められ続け得点も相手のミスで入るものだった。
そして、第1セットは圧勝で北川第一が取った。
田「あの1番、ギュンギュンよく動くなァ!!色々ヘタクソだけど!
あれで身長があればなぁぁ!!」
澤「うん後は…雪ヶ丘中にちゃんとしたセッターが居たらあの1番ももっと活きるんだろうけどなぁ…」
菅「うん…」
『でも、初心者寄せ集めみたいなメンバーをよく支えてますねあの1番。逆に…
影山は周りの恵まれた面子をイマイチ活かしきれてないですね。影山個人の力は申し分ないハズなのに…
まるで、一人で戦ってるみたい………』
第2セットも
雪ヶ丘中と北川第一の圧倒的な点差は覆ることなく
北川第一のマッチポイントとなった。
そんな崖っぷちの状態の雪ヶ丘にチャンスボールが舞い込む。
しかし、雪ヶ丘の素人セッターはトスミスをしてしまう…でも驚いたことにそんな無茶ぶりトスを
日向はスパイクを決める。
…が、そのスパイクは惜しくもアウト。
試合は北川第一の圧勝で終わった。
───
──────
そんな去年の試合の事を思い出していると…
「「キャプテン!!」」
体育館の外から大地さんを呼ぶ声が聞こえてくる。
『………見事な単細胞ですな』
縁「……だな」
単細胞の2人は
先輩たちと田中に任せ、私たち他の2年は体育館の片付けを進める。