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【HQ!!】烏の翼

第1章 新入部員たち




澤「お疲れした!!」

「「「「「「したー!!」」」」」」


練習も終わり、体育館の後片付けをし始める。
私は、色んな所に転がっているボールを集めていく。

両手いっぱいにボールを抱え歩いていると
突然、田中が大きな声を上げる。


田「〈勝負して勝ったら入れて下さい!!〉」


『!!!』

その声に驚いて
せっかく集めたボールを落としてしまう。

((……田中め……
後で帰りに肉まんと干し芋奢らす!!!))

思いっきり田中を睨みつけて
再びボールを集める。
すると、それを見ていたのか縁下が手伝いに来てくれた。


縁「大丈夫か?俺も手伝うよ。」

『縁下さま…!後で肉まん奢るよ!!田中が』

縁「それは楽しみだなー」


そんなことを話てボールを拾っていってると
ふと、縁下が口を開く。


縁「さっき田中が言ってたの…」

『あぁ、勝負して勝ったらーのやつ?』

縁「そうそう。本当に言ってきたりすんのかなーって
…さすがにそこまで単細胞では無いか」


その縁下の言葉にうーんと首をかしげる。


『でも、もし言ってきたら影山が自分の力だけでどうにかしようとするんじゃない?』

縁「あ、確か佐倉も去年のあの2人の試合見たんだっけ?
そんなに、影山って個人プレーなのか?」


縁下が言ったように
去年、私は大地さん・スガさん・田中とあの2人の試合を見たことがある。




──────
───

田「おっ!丁度始まりますよ!」

田中の言葉と同時に試合開始直前の笛がなり
お願いしますと元気な声が響き渡る。

田「でもなんで中坊の試合なんか…」

澤「"王様"を見に来たんだよ"コート上の王様"!」

菅「王様?」

王様を知らない2人に私が説明をする。

『あれですよ、北川第一の2番…セッターの影山 飛雄!
抜群の身体能力とバレーセンスでコートに君臨する"王様"!』

澤「来年戦う事になるかもだろ?」

田「へーっなんか感じ悪っ」

『田中、顔っ!』

澤「まぁ、ただの噂だし"王様"の名の由来もよく知らないけどね…」

田「…それにしても…
"王様"の相手はどこだァ!?」

『高校生対小学生みたいな身長差だね』


そして、試合開始の笛が鳴った。


この試合こそが
今日問題を起こした影山と日向の因縁の試合。


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