第3章 VS青葉城西
感傷に浸っていると
影山の声が体育館に響く。
影「良いか 日向、お前は…
最強の"囮"だ!!!」
日「!おおお!?最強の囮!!
おおお!?
おおお…
なんかパッとしねえぇ……」
日向は段々と沈んでいく。
影「速攻でガンガン点を稼いで敵ブロックの注意をお前に向けさせる!
そうすれば他のスパイカーが活きてくる!
月島みたいなデカい奴が何人も、
お前の動きにアホみたいに引っ掛かったら気持ちイイだろ!」
((アホみたいにって……言い方もっとあっただろ!))
影山の言葉に日向はソレいい!!とテンションが上がっている。
影「………逆に…
お前が機能しなきゃ他の攻撃も総崩れになると思え」
澤「ちょっと!あんまプレッシャーかけんなよ!」
『なんでそこで、そう言うこと言うかなー…』
当の本人は何のことだと分かっていない様子。
そして日向は…
日「総崩れ…そうくずれ……SO KUZURE………」
澤「『ホラ、見なさい!』」
田「でも、肝心のブロックはどうすんだよ!?
いくら高く跳べても、元々デカい奴と比べたら
ブロックの完成が遅くなるだろ」
影「…ハイ だから、日向がブロックで重点を置くのは…」
『…相手の攻撃を叩き落とすよりも"触る"こと?』
影「そうです
日向のバカみたいな反射速度を活かして
確実に拾ってカウンターをしかける。」
田「そんないきなりうまいこといくか!」
確かに田中の言うとおり
いきなり上手くいくとは思えない。
澤「いかないだろうな!少なくとも最初は。
でも、やってみれば何かしらわかることがあるよ!
"練習"試合なんだしさ!」
((そうか…そうだよね
色んなことに挑戦して成長していくもんね…))
大地さんは更に言葉を続ける。
澤「…なにより、空中戦で日向の高さに敵う奴
ウチのチームじゃ月島と影山くらいだ。
だから日向、自信持って行……」
日「ハイ!おれ!がんばります!!
高校で初めて6人でやる試合だしっ!いっぱい点とって!囮もやって!
サーブも!ブロックも!クイックも!
全部っ………」
ボンッという音ともに
日向の思考回路はショートした。
澤「ショートした!!日向がショートしたーっ」
『ちょっ!日向!!大丈夫!!?』