第2章 3対3
第2セットは、
影山のドシャットが決まったり…
月島のスパイクが日向の顔面に入ったり…
もちろん、影山と日向のあの速攻だったり…
両者一歩も譲らない状況が続いた。
縁「…影山…凄いけど、すんごい神経すり減らしそうだなあの精密なトス」
成「日向も普通の何倍も動き回ってしんどそうだ」
菅「…うん……でも」
日・影「「オオッシ!!!」」
コートの中で2人は嬉しそうにガッツポーズをしている。
『…楽しそうですね』
ピピーッ
そして、試合終了
セットカウント2-0
勝者:日向・影山チーム
田「だ 大地さんもスガさんも…
あいつらにあんな攻撃使えるって見抜いてあんな事言ったんスか!?」
『わ、私も気になります!!』
澤・菅「「えっ!?」」
私たちの言葉に2人は驚いた。
菅「そっ、そんなワケあるかっ!
俺は〈もっと日向が打ち易いトス上げたれよ〉って意味で言ったんだよっ」
澤「俺は、影山の多少無茶なトスにも日向なら合わせられるようになるかなって思った。
…でも良い意味で裏切られたな〜」
田「??」
一呼吸置いてスガさんが説明してくれる。
菅「日向がトスに合わせるんじゃなく
トスを完璧に日向に合わせる…
日向がどこに跳んだとしても。
セッターがスパイカーに気持ち良く打たせるっていうのは、すっごく当然のことなんだけど…」
『その"打たせる"の精度がとんでもなく高い…
ってことですよね?』
菅「そうそう!
日向がまだへたくそで打てなかったからこそ
影山の真骨頂を発揮させたんだなぁ…」
澤「うん…なんていうか…
10と10を足して20になれば良いなと思ってたのが
10と10を掛けて100になっちゃったみたいな
互いが互いの能力を最大限に引き出す──…
これは…予想以上に凄いコンビができちゃったかもな」