第2章 3対3
『何はともあれ、何とか落ち着いたね』
田「だな!全く、最初はどうなるかと思ったぜ……」
『田中、先輩らしくなってきたんじゃない?』
田「!!やっぱりそう思うか!
ふふん!俺って良い先輩!!」
田中は腕を組んで嬉しそうにしている。
『でも、あんま調子乗るなよーハゲー』
田「んだと!?
あ!さっきもハゲって言ったの佐倉だな!?」
『ん?何のことかなー?』
田「とぼけんなコラァ!!」
私と田中がふざけ合っていると、日向と影山の声が体育館に響く。
日・影「「キャプテン!!」」
何事かと思い、大地さんの方を向くと
2人はクシャクシャになった入部届けを差し出している。
澤「…清水
アレ、もう届いてたよな?」
そう言われた潔子さんは小さく頷いた。
((アレ?…あ、アレのことか!!))
『潔子さん!私も、手伝います!!!』
そして、潔子さんと運んで来たダンボールの中身を1年たちに配っていく。
日「うほおおお!!!」
その中身とは、背中に烏野高校排球部と書かれた黒いジャージ。
清「多分サイズ大丈夫だと思うけど何かあったら言って」
日・影「「あザース!!!」」
真新しいジャージを着た1年たちが
私たち2.3年の前に並ぶ。
澤「…これから
烏野バレー部としてよろしく!」
日向と影山は見つめあった後
力強く返事をした。
日・影「「…おす!!!」」
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影「おい日向!!休んだか!?休んだな!?
もっかい速攻の練習すんぞ!」
日「オオッ」
さっきまで動き回っていたにも関わらず2人はもう動こうとする。
影「早く実際の試合で試してぇな…
練習試合とかねえのかな」
練習試合という言葉に日向は目を輝かしている。
澤「…確かに、そろそろ練習試合組みたいよな…」
『でも、そんな簡単に組めるものじゃ…』
ダダダ!!
忙しない足音が体育館に近づいてきて
扉が開けられる。
入って来たのはバレー部顧問の武ちゃんだった。
武「組めたよーっ!練習試合っ!!!
相手は県のベスト4!!"青葉城西高校"!!」
皆が、驚いて声を上げる中
それよりも大きな声を上げてしまう私。
『せ、青城!!!!??』
((なんで、よりによって青城なの…!?))