第2章 3対3
日「?"持って行く"って何??
どういうこと??」
影「…お前はただブロックの居ないとこにMAXの速さと高さで跳ぶ。そんで全力スイングだ。
俺のトスは見なくていい、
ボールには合わせなくていい」
日「ハァ!?ボール見なきゃ空振るじゃん!!」
影「でも…やってみたい」
日「………わかった」
影山の言っていることに戸惑いながらも
日向は同意する。
((影山は何をするつもりなんだろ…?
あのトスじゃ、日向が合わせるのは無理なのに……))
影「フゥー………」
影山は目を瞑り集中している。
ピーッ
そして、ゲーム開始の笛がなる。
((影山、凄い集中力……))
こっちにまでその集中している様子が伝わり
緊張感に包まれる。
そして…
ドッ バンッ
影「───!
よしっ!」
日「!? !!?
手に 当たったあああ!!!」
日向はうおおお!と、スパイクを決めた右手を見つめて
感動している。
月「?"手に当たった"?
大げさだな…」
((…うそ………
…今、私の見間違いじゃなかったら………!!))
澤「……おい…今…
日向……」
『目、瞑ってた………』
「「「はァ!?」」」
私と大地さんの発言に
皆は驚愕の色を見せる。
月「?…あのどういう…?」
澤「ジャンプする瞬間からスイングするまでの間
日向は目を瞑ってた…」
『つまり影山がボールを全然見てない日向の掌に
的確にトスを上げた…
スイングの瞬間に合わせて、寸分の狂い無く…!』
影山は、言葉通りボールを"持って行った"……