第2章 3対3
影山と日向は、バッとかグワッとか意味のわからない事を言って揉めている。
『あーあぁー…
?…スガさん?』
そんな2人の元へスガさんは歩み寄って行く。
菅「影山、それじゃあ中学の時と同じだよ」
影「…日向は機動力に優れてます
慣れれば速い攻撃だって…」
菅「──日向のその…"すばしっこさ"っていう武器
お前のトスが殺しちゃってるんじゃないの?」
((どういうことだろ…?))
スガさんは言葉を続ける。
菅「…日向は中学でお前にギリギリ合わせてくれてた優秀なプレイヤーとは違う
でも、素材はピカイチ」
そんなスガさんの言葉に日向は満更でもなさそうに
ソワソワしている。
菅「…お前の腕があったらさ
なんつーか!
もっと日向の持ち味っていうか才能っていうか
なんかうまいこと使ってやれんじゃないの!?」
しどろもどろになりながらも何とか言葉をつなぎ
影山に伝える。
菅「……俺も、お前と同じセッターだから
去年の試合見てビビったよ
ズバ抜けたセンスとボールコントロール!
そんで何より…
敵ブロックの動きを冷静に見極める目と判断力!!
…俺には全部無いものだ」
スガさんの言葉に思わず声を上げてしまう。
『スガさん!…そんなことっ…』
縁「佐倉、お前の言いたいことは分かるけど
今は聞いとこう」
菅「技術があってヤル気もありすぎるくらいあって……
"周りを見る優れた目"を持ってるお前に
仲間のことが見えないはずがない!!」
影「……………」
影山は、どういうことだと必死にスガさんが言ったことを考えている。
そして、日向の方へ向くと
影「俺は…お前の運動能力が羨ましい!!
だから、能力の持ち腐れのお前が腹立たしい!
──それなら、お前の能力俺が全部使ってみせる!
───お前の1番のスピード
1番のジャンプでとべ
ボールは俺が
持って行く!」