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【HQ!!】烏の翼

第2章 3対3






田「おい、お前らクイック使えんのか!?」

日「クイック?」

『今みたいな速い攻撃のこと!』

私は思わず試合中ということを忘れて
3人の元へ駆け寄って行く。


日「おれポォーンて高く山なりに上がるトスしか打ったことないです」

田「でも今やったろ!?
それにお前、中学ん時素人セッターのミスったトス打ったろ!
ああいう…」

日「えっ?でも、どうやったか覚えてないです」

『覚えてない!?』


信じられない…
日向はそのズバ抜けた反射神経と感覚だけで
速攻をやってのけていたなんて……

私と田中はもどかしさでいっぱいだ。


日「でも、おれどんなトスでも打ちますよ!」

影山の方にも顔を向けて「打つからな!!」と宣言している。


それを受けた影山は、

影「…合わせたこともないのに
速攻なんてまだ無理だろ」

日「なんだお前変!
そんな弱気なのきもちわるい変!!」

影「…うっせーな」



((あの影山が弱気だ…
中学の時のこと相当引きづってるんだな……))


月「"王様"らしくないんじゃなァ〜い?」

しばらく黙っていた月島が再び嫌味を言いにかかる。


日「今、打ち抜いてやるから待ってろっ!!」

月「まァーた、そんなムキになっちゃってさぁ
なんでもがむしゃらにやればいいってもんじゃないデショ

人には向き不向きがあるんだからさ」


その言葉を聞いた私と田中は
こめかみに血管を浮かべ思わず拳を握る。
が、すぐに大地さんに止められる。


日向は、悔しそうに…でも、強い眼差しで
思いを語り始めた。


日「…確かに中学ん時も…今も…
おれ跳んでも跳んでも、ブロックに止められてばっかだ



…バレーボールは"高さ"が重要な競技
いくら高く跳べても圧倒的な身長差は埋まらない。


日「だけど
───あんな風になりたいって思っちゃったんだよ

だから、不利とか不向きとか関係ないんだ
この身体で戦って
勝って勝って…

もっとコートに居たい!」



((あぁ、そうか……
日向と影山、全く違う2人でもどこか似ている様な感じがしたのは
"コートに立ちたい"っていう
その強い思いが一緒なのか……))


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