第2章 3対3
月「ホラ王様!
そろそろ本気出した方がいいんじゃない?」
月島は懲りずに嫌味を言う。
それに、反抗して日向は声を荒げる。
日「なんなんだお前!昨日からつっかかりやがって!!
王様のトスってなんだ!!!」
月「君、コイツが何で"王様"って呼ばれるのか知らないの?」
日「?こいつが何かすげー上手いから…
他の学校の奴がビビってそう呼んだとかじゃないの?」
月「ハハッ そう思ってる奴もけっこう居ると思うけどね」
((あれ、違うのか…
私もてっきりそうだと思ってたけど))
月島は言葉を続ける。
月「…噂じゃ"コート上の王様"って異名、北川第一の連中がつけたらしいじゃん。"王様"のチームメイトがさ
意味は───
自己チューの王様
横暴な独裁者
噂だけは聞いたことがあったけど
あの試合見て納得いったよ
横暴が行き過ぎてあの決勝
ベンチ下げられてたもんね」
『えっ………!』
思わず驚きの声が出てしまう。
他の皆も驚いている。
月「──速攻使わないのも、あの決勝のせいでビビってるとか?」
((………………))
『…ちょっと月島、いい加減に』
菅「佐倉。」
私は月島の発言が許せなくなり口を挟もうとしたら
スガさんに止められた。
どうやら、田中も大地さんに止められたようだ。
すると、今まで言われるがままだった影山が口を開く。
影「…ああ、そうだ
トスを上げた先に誰も居ないっつうのは心底怖えよ」
その言葉に誰も何も言えないでいると
日向の声が響く。
日「えっ、でもソレ中学のハナシでしょ?
おれにはちゃんとトス上がるから
別に関係ない
どうやってお前をブチ抜くかだけが問題だ!」
そう言い放ち月島をビシッと指差す。
『フフッ』
そんな日向に皆、拍子抜けだ。
日「月島に勝ってちゃんと部活入って、お前は正々堂々セッターやる!
そんで、おれにトス上げる!
それ意外になんかあんのか!?」
影「〜〜〜〜…」
((あの、影山が日向に口で押されてる……!!))
月「──そういう…いかにも〈純粋で真っすぐ〉みたいな感じ、イラッとする。
気合で身長差は埋まらない、努力で全部なんとかなると思ったら大間違いなんだよ」
((………?))