第3章 01
放課後、翔一に連れられて私は体育館へと来ていた。理由は至極簡単で、マネージャーになると言ってしまったからである
だがしかし、なぜこんなにも最初から面倒な相手と会わなきゃいけなくなってしまったのか、その犯人はそこでニヤニヤ笑っているサトリのせいである
「君が今吉先輩から聞いていた子かな?」
「はい!です!翔一く…今吉先輩とは親戚で…」
「、こいつがお前と気ぃ合いそうってワシが思っとった花宮や、次期主将候補なんやで~」
「へぇ!そうなんですか花宮先輩頭もいいらしいですし、すごいですね!」
「そんなことないさ、それよりさんの方がすごいよ。新入生代表やってたんだって?」
「花宮も去年やっとったやろ」
「そうなんですか!すごーい!!」
恐らく彼は、口に出した事を思っていない。にこにこと浮かべている笑は胡散臭くて、土下座して顔を踏んづけて本音を吐かせたくなるようなタイプだ
だがこちらとて心にも思ってないことを言っているのは同じである。なんだろう、翔一が気が合いそうって言っていた理由が分からなくもない
何というか、同族の雰囲気を醸し出している
「(…なるほど、ね)」
「今吉主将!そろそろ始めませんか?」
「おーそろそろ始めよかー、まず最初に、自己紹介や」
「はい!今吉先輩に誘われて入りました!マネージャー希望のです!
不束者ですが、よろしくお願いします」
頭を下げてからにっこり笑うと選手達が妙な表情をして、浮き足立ったオーラが流れ始めて「こっちは仕方なくやんだよ」と思いながらそんな意味を込めてもう一度にこりと笑った
すると翔一が「花宮」と呼んで、前へ出させた
「にマネージャーの仕事教えたってや」
「は……今吉先輩、それ僕より他の人の方がいいんじゃないですか?」
「さっきお前ら仲良さそうに喋ってたやろー」
「でも「はいけってーい、お前ら頑張ってきぃやー」」
思わず舌打ちを打ちたい衝動に駆られると目の前にいる彼は躊躇わずに舌打ちをしていた
その様子に私の予想は確信へと変わり、思わず心からの笑みを浮かべてしまった