第5章 03
「良かったら試しに付き合ってもらえませんか!」
「…ご、ごめんなさい」
あれから彼氏がいないいうことが広まってしまい、学年問わずクーリングオフしてくれても構わないから付き合ってくれという男がたくさん現れた
これでOKしようものなら瞬く間に彼氏ができた噂が広がり、私を手に入れた男は優越感を手にするのだろう
私を手にすることでスクールカーストがあがるなんて、そんなこと許せないと毎度毎度断っている。が、
「…さすがにそろそろだるい」
「おお、本音出たな」
「翔一しかいないから言ってるに決まってるじゃん」
「ワシのクラスメイトも玉砕しとったわ
知らんか?ラグビー部の声でかいやつ」
「いちいち告白してきた人のことなんて覚えてるわけないでしょ」
「とか言って、猫かぶんのに支障出るから覚えとんやろ?」
ニヤリと笑う翔一の顔に腹が立った。分かっているならわざわざ言う必要もないだろう
「…熱血男は無理。女々しそう」
「おお?どいつならええんや?」
「猫かぶりしなくて済む人」
「もしかしてそれワシのことか〜?」
「私より性格良くなってから出直して来な」
「既により性格ええやろ〜」
またもケラケラと笑う彼らにさらにイライラすると、翔一は予想していなかった提案をする
「じゃあ、花宮はどや」
「…」
「あ〜そんな顔すな、可愛い顔が台無しやて」
「私はどんな顔でも可愛いから大丈夫」
「その自信だけは褒めたるわ」
麻呂眉の顔を思い浮かべ眉間に深くシワを寄せるが跡に残ってはいけないとすぐに表情を戻し心の怒りだけでなんとかやり過ごす
彼はまだ話の続きがあるらしく、こちらを見ていた