第1章 始まりは。
そんな私も高校生である。
ついに!高校生なのだ!
高校生になったのだから
青春の方から私に歩み寄ってくるであろう。
そんな夢を見た入学初日。
寝坊である。
最初は気づかなかった。
だって私の目覚まし時計の針が6時26分を指していたから。
だけど、本当は8時32分だったのである。
なんと6時26分に地震があったらしい。
そのため、なぜかわからないけど
時計がとまってしまっている。
なんていうことがおこってしまったのだ。
家族は揺れに気づき、そのまま起きてもうとっくに家を出た様子だ。
普通、まだ寝てる娘がいたら起こすでしょ。
と、若干苛立ちながら、リビングに向かった。
細長く、窓から暖かな光が差し込む廊下を抜けてドアをひいた。
ドアの少し前にある、真っ白なペンキで
キレイにぬられた木製の机の上には
ご丁寧に私の分の朝食が用意されていた。
朝御飯をつくったならなんで起こさないんだよ。
と、イラつきながら
机とはセットで買ったであろう椅子に腰かけた。