第10章 *2人を繋ぐ窓【青峰大輝】*
いつでも不法侵入出来る距離にあるオレとの部屋。
よく窓を開けて話したり、着替え中のを見てラッキーとか思ったり。
……その時は窓から色々危険な物が飛んで来たが。
そして昔からこいつは……何かあるといつもこうして飛び移ってくる。
やめろと言ってるのに。
「バカ…!危ねぇだろーが!」
「でも大ちゃんはちゃんと抱きとめてくれるよ?」
窓は丁度ベッドの傍にあるから……こいつが来ると大体は倒れ込む形になる。
は平気でオレの上に乗っかって話してるけど……こっちはたまったもんじゃない。
しかもパジャマとか無防備すぎだ。
「てか大ちゃん……顔が疲れてるよ?大丈夫…?」
「別に……なんともねーよ」
「……今日の試合の事考えてたでしょ」
「……」
「でもほら……接戦だったし!それに明日は私とさつきが買い物付き合うからさ…!」
「っせーな……早く退けよ」
このままじゃいけない気を起こしそうで顔を背ける。
それにを見ても気分は晴れなかった。
試合の事が頭から離れなくて……ムカムカして吐きそうだ。
なのにこいつは全く退こうとしない。
ずっと腹に重みを感じる。
「おい、早く退けっつってんだよ」
「ねぇ大ちゃん……今日はここで寝てもいい…?」
「あ?何言ってんだテメェは」
「しんどいんでしょ?なら側にいてあげる」
「お前が居たってなんも変わりゃしねぇよ」
「ホントに…?嘘でしょう…?」
「お前何が言いた、んっ…!?」