第10章 *2人を繋ぐ窓【青峰大輝】*
青峰side
「……」
自分の部屋、静かな夜。
ベッドに横になってるオレは、無言で天井を見つめながら今日あったテツとの試合を思い返していた。
負けるというのはこんなにも悔しいものだったのかと改めて噛みしめる。
目を閉じても試合の光景が目の前に繰り広げられるから……もう寝ようと思ってもなかなか寝付けない。
「大ちゃん」
「あ…?」
そんな時、窓の外からオレを呼ぶ女の声がした。
まあ女というか……幼馴染のだってのは直ぐに分かったが。
さつきはちょっと離れてるけど、こいつんちはオレんちの隣。
「大ちゃん……起きてる?」
「……ああ、起きてるよ」
「窓開けてよ」
時刻は0時を少し回ったところ。
こんな時間になんだよと思いながらもオレはちゃんと開けてやる。
好きな女の顔でも見たら……少しは気分が晴れるかなと思って。
「寝ないのかお前」
「眠れないの。大ちゃんも?」
「……まあな」
「ねぇ……そっち行ってもいい?」
「あ?別にこのままでもいいだろ」
「飛び移るから受け止めてよ…!」
「は?!テメッ、それはやめろって……うおっ…!」