第9章 *オレにわがまま言って?【黄瀬涼太】*
オレが欲しいのかな。
とか考えちゃう。
だってっちってばやけに絡ませてくるし、オレにぴったりくっ付いて離れないから。
唇離しても「やだ…っ」って言っちゃうし。
「キスだけじゃ足りない…?」
「っ……」
「ベッド……行く…?」
「っ……」
「、顔上げて……」
「うぅ…っ」
「真っ赤っスよ……。こればっかりは言えないっスか…?」
「うんっ……」
「そっか、恥ずかしいっスもんね。ならオレ運んじゃうけど……大丈夫…?」
「うんっ……」
「ん、よしよし……じゃあ行こっか」
オレが考えてた事は本当だった。
っちはオレに愛されたいみたい。
「うん」しか言わなかったけど……オレにはなんだか世界で1番可愛いおねだりのように思えた。
「はい、着いたっス」
「っ…!」
「どうしたんスか布団に隠れて……。初めてじゃないでしょ…?」
「そうだけど…!」
「そんなに今日は恥ずかしい…?」
「うんうんっ……」
「ははっ、可愛い……。でもオレ1人外じゃ寂しいから……隣、横になってもいいっスか…?」
「……うんっ」
「じゃあスーツ脱ぐから、ちょっと待ってて……」
正直スーツなんかどうでもいいから、今すぐに被さりたい気分だ。
こんなに可愛い彼女見たことない。
ちょこんと布団を掴んでる指も……
目だけ覗かせて見てくる姿も……
何もかも可愛すぎる。