第9章 *オレにわがまま言って?【黄瀬涼太】*
「ほら、オレの腕に頭乗せて…?」
「痺れちゃうよ……」
「大丈夫っスよ、ね?」
「う、うん……」
背広だけ脱いだオレはに腕枕をしてあげた。
いつもより緊張してるみたいだから、そのままそっと自分に引き寄せる。
暫くすると安心したのか、彼女はオレの胸に顔をすり寄せて……幸せそうに目を閉じていた。
「もう夜遅いけど……眠くないっスか…?」
「うん、平気……」
「そっか、良かったっス」
「あっ、涼太は…?ごめん、疲れてるよね……」
「大丈夫っスよ。心配しないで……」
オレはの頭を優しく一撫で。
彼女はここでも幸せそうにしてる。
可愛い。大好き。愛おしい。
もうこの気持ち、抑えられない。
「…?」
「なに…?」
「誕生日、おめでとう」
もう少し今の時間を過ごしていたかった。
けどを愛したくてたまらないから、オレは「おめでとう」の言葉と共にふんわりと唇を重ねた。
それは次第に濃厚になり、腕をそっと引き抜いて……横向きで寝転んでいた体勢から、オレはの上に場所を移動。
そして飽きる事なく口付けを交わしながら……手を彼女の身体へと触れさせていった。