第8章 *年下の可愛い彼女【実渕玲央】*
こうして付き合う事になった私達。
暫くは小太郎に内緒にしておこうと思っていたけど……
「玲央せんぱーい!」
ちゃんが私に抱き付いてきて……直ぐにバレてしまったわ。
「あー!!レオ姉!どういう事?!」
「悪いけど、ちゃんはもう私のよ」
「聞いてないんだけど!ね!えーちゃん!」
「ああ、知らなかったぜ」
「だって付き合い始めたのは昨日だもの」
うるさい小太郎を鎮めるのに苦労したわよ、全く。
けど彼がギャーギャー言うのは、ちゃんが自分を選ばなかったからじゃないっていう事は分かっていたわ。
ただ単に人として好いていただけなの、小太郎は。
「な、なんか凄いんですけど……葉山先輩……」
「よっぽど貴女が好きなのね。でも良かったわ、あいつがちゃんを女として好きじゃなくて」
「せ、先輩は…?」
「何を聞いてるの。勿論女の子として好きよ」
「それレオ姉が言うとなんか変!」
「変って何よ!」
でも小太郎が言うのも分かるわ。
私は周りとちょっと違うものね。
けど……ちゃんはこんな私でも好きになってくれた。
嬉しい以外に何があるっていうのかしら。
舞い上がっちゃうわよ。