第8章 *年下の可愛い彼女【実渕玲央】*
実渕side
「すっ、好きです!実渕先輩っ!」
今自分の目の前で手紙を突き出している女の子は、私達洛山男子バスケ部のマネージャーさん。
征ちゃんが異様な程落ち着いているのに対して、この子は正反対。
年下の可愛らしさをちゃんと持っているのよ。
「それ、ラブレターかしら」
「あっ、はい!読んでくれたら嬉しいんですけど…!」
「今好きって言っちゃ書かなくても良かったんじゃない?」
「……あぁ!す、すみません!」
「謝らなくていいわよ。嬉しいわ、ありがとう」
「はいっ!」
我らバスケ部の癒しポジションに居たちゃんは、特に小太郎から絶大な人気を集めているわ。
「ー!」って、いつもあいつの口から出るのは「」ばかりなの。
それがちょっと面白くなかった私は、今回受けた告白で小太郎に勝ったと思っちゃったわ。
「返事は今でもいいかしら?」
「え?!いやっ、私そこまで心の準備が出来、」
「私も好きよ、ちゃん」
「……」
「あらあら、何ポカンとしてるのかしら」
「ほ、本当ですか…?!聞き間違いじゃないですよね…?」
「なら今度は近くで言ってあげるわよ」
「えぇ!い、いいです!聞こえました…!」
「耳、貸してくれる?」
「だから聞こえましたってば…!きゃ…!」
「貴女が大好きよ……」