第7章 *愛の結晶【緑間真太郎】*
「どう?気持ちいい?」
「……ああ」
「良かった」
けど子作りしなければという焦りはない。
例え避妊を取り払ったとしても、100%確実に身籠るわけではないから。
だがの事を考えると……やはりそろそろ行動に移さねばと思う。
『見て真太郎、あの赤ちゃん可愛いね』
『うわぁ…!将来女の子が産まれたらこんな服着せたい!』
と、は街に繰り出す度に目を輝かせていた。
欲しいんだなと、分かりやすいくらいの反応で。
「真太郎、もう少し端に寄って…?浴槽狭いよ」
「……足の間に来い」
「え?どうしたの急に」
「いいから早くするのだよ」
「じゃあ……失礼します」
それでも直接訴えてこないのはオレに気を使っているのか。
ただあの薄い膜をなくせばいいだけなのに……
何故オレはそれが出来ないのだろう。
もう未熟な学生などではない。
も子供も、今のオレなら十分幸せに出来る。
いつまでも照れていては進めない。
との愛の結晶が欲しい。
躊躇っていないで……今日こそ一歩踏み出す時だ。
「」
「ん?どうしたんですか、真ちゃん」
「オレはお前を…………愛してるのだよ」
「え?早口過ぎるよ、何?」
「っ……聞き取れ、バカめ…!」
「だってゴニョゴニョしてたし……」
「愛してると言ったのだよ…!」
「えっ……」
「な、なんなのだよその反応は」
「珍しいもん……。愛してるなんてプロポーズの時以来だし……」
「オレは常日頃そう思っている。素直に受け取れ」