第7章 *愛の結晶【緑間真太郎】*
緑間side
『真ちゃん!ウチの嫁さんに赤ちゃんがデキたんだぜー!』
『お前、そろそろだろ?……まさかまだ避妊してんじゃねぇだろうな。轢くぞ』
オレの周りは皆、自分の妻とは別に小さな家族がいる。
高尾は2人目。
宮地さんには1歳の女の子がいるそうだ。
噂では、木村さんの家ではもうすぐ1人目が。
大坪さんの家は……既に3人のお子さんがいるらしい。
だがオレと家内の間には……
まだ赤子はいなかった。
「何考え込んでるの?真ちゃん」
「いや……。それより高尾と同じ呼び方はやめろと言った筈なのだよ」
「へへ、ごめん。なんか難しい顔してたから」
妊娠しない原因は分かっている。
結婚して暫く経っているというのに、オレ達は避妊をしているのだ。
経済的に問題があるわけではないし、子供が欲しいという気持ちもある。
なのに未だ徹底しているのは……
避妊具なしでの行為に踏み込めないからだ。
何と言うか……気恥ずかしい。
「気にするな」
「そう?でも疲れてるのかもね。今日背中流してあげる!」
「お前がか」
「私以外に誰がいるの?」
「なら……」
「うんうん!」
「っ……好きにしろ」
「もう、頼むのだよとか言ってよ」
「くだらない事を言うな。……入るぞ」
「……うんっ!」