第2章 *同棲初夜【黒子テツヤ】*
掌で押された口元を摩りつつ片付けを進めて、ようやく完成した2人の新しい城。
これからここで沢山の思い出を作っていくんだと思うと楽しみで仕方がありません。
今は何も乗っていないテーブルを見て、「仕事から帰ったらさんの手料理があったり」……なんて考える僕は、今表情が緩んでそうです。
「ふぅ……お疲れ様。これで明日仕事とか大丈夫?」
「はい。そこまで疲れていませんから」
「ならいいんだけど……」
「それに仕事なのはさんも同じじゃないですか。今日はもう寝て、明日に備えましょう」
「私は出勤遅いからいいけどさ……。でもそうだね、寝ようか」
「はい」
と、僕は寝る気満々で布団に潜り込んだのですが……
あ。さっきのキスまだしてませんでした……。
とか考えてしまって……なかなか寝付けません。
何度かお泊まりはした事ありました。
けど状況が変わると余計にムラムラします。
ただ隣で横になっているだけなのに。
「さん」
「ん…?大丈夫、まだ起きてるよ」
「あの……なんて言うかその……」
「何?言いにくい事…?布団狭い?」
「いえ、そうじゃありません。寧ろもっと近寄りたいです」
「近っ…?!い、いいけどでも…!うわっ」
「捕まえました。さっき言ってた事まだしてないので……キス、してもいいですか…?」
「っ……い、いいよ」
「ありがとうございます。じゃあ……」