第5章 *新婚旅行【赤司征十郎】*
ならオレはどうだろう。
がその気充分ならオレは…?
……そんなの決まっている。
よりももっと世界に入り込んでいるのではないだろうか。
普段は一つしかつけないオレの愛を、今日は三つも刻んでしまったのだから。
「あっ……はぁ…っ、んっ……」
「袖から腕を取るよ……いいね…?」
「っはぁ……うん…っ」
「そしてコレも……」
「あっ、ブラが……ひゃぁ…っ」
オレがの胸の突起を口で捉えた時、片手だけだがようやく手を繋いだ。
しかし何故片手か……。
それはが違う方の手でオレの頭を抱えていて繋げないから。
そのまま時折撫でてくれるのが心地良い。
「今日はやはり積極的だな……」
「え……あっ…!やだごめん…!」
「行くな……」
オレは去ろうとしたの手を掴んで指にキスを落とした。
それから腕にも落とし、肩にも落とし……徐々に近付いて、間近で妻の顔を覗き込む。
瞳が彼方此方に揺れていて、かなり羞恥心を感じているのが伺えた。
「今みたいにオレの頭を抱いていて欲しい」
「でも……ダ、ダメ…!急に恥ずかしくなっちゃった…っ」
「オレがそうして欲しいと頼んでいる……それでもダメかい…?」
「っ……」
オレは「うんと言ってくれ」と願いを込めて、の唇に指先を触れさせた。
ピクッと身体を揺らしてしまう姿に思わず笑みがこぼれる。
どこまでもオレを虜にしてくれるな。
がとる行動や反応に益々愛おしさが募っていくのを感じながら、再び首筋へと顔を埋めると……
は「うん」と言う代わりに、オレの頭に手を回してくれた。