第5章 *新婚旅行【赤司征十郎】*
「わぁ…!タヒチっ!」
「こら、オレから離れるな。ハグれてしまうだろう?」
「あ、ごめんなさい」
「ここは首都のパペーテだ。目的地のボラボラ島へはもう一本飛行機に乗るよ」
「えっ、そうなの…?」
「ああ、おいで」
「うんっ!」
今回ボラボラ島にしたのはの希望だ。
目的は水上コテージ。
写真を見て直ぐに気に入ったらしい。
「征十郎さんと泊まってみたい」って、可愛く言われてしまった。
「征十郎さん!レイを貰っちゃった!」
「そうか、良かったね。とても似合っているよ」
「ふふふっ!あ、征十郎さんにもあげるって!」
「オレかい?オレは……わっ」
「征十郎さんも似合う!可愛い…!」
オレまで首からレイを下げられた。
どうやらおもてなしの意みたいだ。
それを可愛いと表現するとは……は本当に面白い。
けどクスクスと笑うお前の方が、オレは可愛いと思うのだが。
「いつまで笑っているんだい?」
「だって……ふふっ、ごめんなさい」
「そんなに笑っていると……」
「あっ!ダ、ダメだよキスは…!」
「まだ顔を近付けただけだろう?期待したか?」
「っ……し、してないもんっ」
「キスはもう少し後に取っておくよ。お前が赤くなってしまうからね」