第4章 *初めては恥じゃない【伊月俊】*
「っ……ごめん、ちょっとマズい……」
「……?」
童貞と書いてオレと読む……。
その童貞はブラジャーを見たくらいで顔を背けてしまう。
見慣れない物体の下にの胸が隠されているのかと思うと、照れるし変に興奮するしで混乱してきた。
「先輩…?」
「ごめん!見たいんだけどその…!」
「いいですよ、見ても……」
「あ!見たいとか何言ってんだオレは…!」
……オレ日向に「自分より度胸がないと思う」なんて言ったけど……とんでもなかった。
オレもないんだ、どうしよう。
に服掴まれても首が回らなくて横向いたままだし、彼女がモゾモゾ動いててもこっちは固まったまま。
サウナに居るみたいに顔面が熱くてしょうがない。
「先輩、そんなカチカチにならなくても……」
「ホントごめん…!オレ女の子の胸とか見た事ないから……」
「小さいので別に対したものじゃないです。こっち向いて下さい……」
「ちょ、待って…!まだ覚悟が決まってな……っ?!」
「触って下さい、先輩……」
に顔を向かされて1秒くらい心臓が止まった。
あるとしてもブラジャーを纏った胸だと思っていたのに……
現実はそう甘くなかった。
がモゾモゾしていた理由が明らかになった瞬間である。
自分で……ホック外してた。
「どうして外しっ…!オレの役割だっただろ?!」
「すみません……でも私我慢出来なくて。先輩に早くシてほしいから……」
「っ……オレかっこ悪い……」
「そんな事ないです。慣れてるより全然いいですよ」
「ば、挽回するから…!って言うのはおかしいかもしれないけど……」
「ふふっ、いえ」
「物足りないかもしれない。けどそれでも感じてくれたら嬉しいよ」