第4章 *初めては恥じゃない【伊月俊】*
「口、開けられる…?」
「はい……ンン…っ」
〝もっと〟と言うからには〝もっと〟である。
何十回目にして初のディープなキスに、オレもも瞬く間に酔って……
オレに至っては、自然との胸に手が伸びてしまっていた。
「ゃん……あっ……」
「力強くないか…?」
「大丈夫ですよ……。けどもう少し強くていいかも……です……」
「こう…?」
「ンンっ……はい…っ」
嫌がられたらどうしようって一瞬考えたけど、そんな事全く思ってないみたいで安心した。
女の子の身体なんて未知で……揉まれるだけで感じてくれるんだと学ぶオレ。
でもに沢山触れたいとか、自分の事を更に近くで感じて欲しいとか思うから……
だから例え腕がなくても、オレはの首筋に唇を寄せるんだ。
「ぁん……せんぱい…っ」
「ん?どうした…?嫌、とか…?」
「違いますっ……なんていうか……先輩とこうするのが恥ずかしくて…っ」
「オレも。正直自信ないし、今ちょっと震えてる」
「でも……やめないで下さいね…?」
「ああ、それはしないよ。をもっと知りたいから……」
は元彼と経験あるんだろうな。
恥じらってはいても、怖がらない。
そいつとオレを……比べられたりしないだろうか。
はそういう子じゃないってのは理解してるつもりだけど、童貞はいらない不安を抱えてしまうのだ。
「制服、捲ってもいい…?」
「あ、はい……」
一々聞いて了承を得てからじゃないと先に進めない。
そのせいで行為が一時停止するからカクカク。
こんなんじゃを良い気持ちにさせてあげられない……。