第4章 *初めては恥じゃない【伊月俊】*
「あ、あのさ、」
「はい、なんですか?」
「その……オレんち寄ってかないか?」
「いいんですか?行きたいです!」
「じゃあ決まり。行こうか」
「はい!」
早速……って言っちゃガツガツしてると思われるかもしれないけど……2人仲良く並んで帰ってる時、オレはを家に誘ってみた。
とびきりの笑顔を見せて頷いてくれた彼女にくっ付かれながら目的地へと足を進める。
寄り添ってくれるのは嬉しいんだけど……色々意識してしまって、まだ何もしてないのに顔が熱くなってしまうオレ。
の胸が……当たる。
「わぁ!先輩の部屋だ」
「ゆっくりしてていいよ。オレ何か持っ、」
「先輩っ!」
「うわっ!いきなり飛び付くなよ、ビックリするだろ?」
「あ……すみません……」
「コラ、しょんぼりしない。別に怒ってるわけじゃないから。ちょっと待ってて」
ホンの数分離れるだけなのに、それでも嫌らしく寂しそうな顔をする。
可愛い奴と思いながら頭に手を置くと、コロっと機嫌が良くなるからまた可愛い。
でもそれがオレにとったら破壊力あり過ぎて……
「参ったな……凄く可愛い……」
部屋の外で1人、顔をゆでダコみたいにするのだった。