第3章 *オレを変えた人【原 一哉】*
の喜び具合半端ない。
道中手を繋いだりしてなかったのに、オレが「来てもいい」って言っただけでずっとキラキラしてた。
そんなにオレの事好きなんだなと小さなあたたかさを感じたけど、逆に罪悪感がドッと押し寄せた。
オレは何やってんだろうって。
「着いたよー」
「……」
「何?いきなり固まってるけど」
「あ、ううん!別に何でも……」
「そー?まあてきとーに座れば?」
ベッドにダイブして、「はぁ……疲れたぁー……」と言うオレの声は枕の中へと吸い込まれる。
近くにの気配を感じるし、何よりここは自分の部屋。
ウザいくらいに条件が揃ってるこの場所で、しかも舞台の上で転がってるオレは今心臓バクバク。
このまま身体を起こせずに寝てしまうかも。
「一哉…?」
いや、それが1番いい。
寝ちゃえば何も考えなくて済むから。
がオレを呼んでるけど、ここは寝たふりをしようと決めて無視をする。
何を言われても頑固無視を貫く!
「一哉……寝ちゃったの…?」
「……」
「練習……お疲れ様。ありがとう、連れて来てくれて。嬉しかった……」
「……」
「私から動かないと一緒にいれないと思って待ってた……。迷惑……だったよね、ごめん……」
……なんか語り始めてる…?
何言おうとしてるんだ?こいつ……。
「私決めたの。もう……終わりにしようって」
「……」
「そうしたら一哉、楽になれるよね…?ごめんね、理想の彼女じゃなくて……。だから起きたら私……一哉とは別れ、」