第3章 *オレを変えた人【原 一哉】*
「ザキー!この後イクっしょー?」
「イクってなんだよ!字ぃおかしいじゃねぇか!」
「あり?間違っちゃったみたい」
「みたい。じゃねぇ!イきてぇなら彼女とヤれよ!」
「あー……」
練習後、寄り道しようとザキを誘ったオレ。
彼女がいるってのは知ってるけど、上手くいってない事は知らないから、平気で「ヤれよ!」とか言ってくる。
そうしたいのは山々なんですけど。
あいつとそうなれたらどれだけ良いか毎日考えてるけど。
でも今更どう近寄ればいいのか検討もつかなかった。
なのに別れたくないって思ってるから……オレは相当たち悪い。
「何だよその間」
「何でもないよん。早く行こ行こ!」
「あ?!ふざけんなテメェ…!押すな…!」
「いいじゃん。独り身のザキと一緒に居てあげるんだからさ」
「うぜぇ!!」
今日はどこ行こうかなー。
とりあえず先ガムっしょ。
の事はさて置き、脳内ガムで埋め尽くされようとしていた時に、ザキが「あ?」ってキモい声出したから視線を辿ってみた。
するとそこにはが立ってて……姿が見えた瞬間鼓動が速くなった。
なんで居るの?!ってザキに問いかけるオレに、こいつは「待ってたんだろ。行けよ」と押してくる。
「はぁ?!いや無理だしマジで!」
「何でだよ!テメェの女だろ!早く行けコラ!!」
「いって!!ちょ!ザキー!」