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Re:思い出

第6章 過去が今に変わる


「アズサ、料理出来るんじゃん。これ冷凍食品じゃないでしょ」
「え?そうだと…思うよ」
「思うって何? こんなに出来るなら一緒に調理部入ればよかったのに」
「嫌だよ。料理作るの嫌いだから。独り暮らし決まって母親からスパルタ教育受けたからね」
「そうなの? 嫌いとかいいながらここまでできるのは凄いよ。お母さん、教えるの上手なんだね」
ごめんなさいクロサワ、手柄を奪いました。お弁当、とても美味しかったです。
冷めても美味しいように少し濃いめの味付け、玉子焼きは甘かった。多分お砂糖。私の母親のとは違う味付けだったけどこっちも美味しかった。

ユーカの調理部のステマと最近の洋画事情の話が終わったところで私達のお弁当も空になった。
御馳走様でしたと手を合わせお弁当箱を片付けて ふと渡り廊下を見上げると其処にクロサワを見つけた。
オーナーの居る化学準備室に向かうのであろう。北棟から南棟へ向かっている。

学ランを脱いで私のカーディガンを羽織ってたので彼なのは間違いない。私の大きめに着るように買ったそれはとても似合っている。
自分の気に入っていた服が他人に似合うことに嫉妬したが何となく嬉しくもあった。

彼の様子眺めていると彼は一瞬迷うことなくこちらだけを見た。私を見たのか、それとも偶然か。
ユーカに急用を思い出したと告げ私も化学準備室へ向かった。
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