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Re:思い出

第6章 過去が今に変わる


そんなことをしてる間に時間は過ぎていきチャイムがなる。
英語教師が教室から出たところで改めて隣の彼に礼を言うと
「いつでも頼って」と優しい言葉をくれた。

さてと、お礼も言った事だし、早速オーナーと灰皿が待つ化学準備室に行こうかな。
そう思ったところで身体を後ろから押さえつけられた。
振り向くとユーカが私に抱き付いていた。いやこれは逃げないように捕まえられたのか。


頭の中煙のことばかりなのに、袖を引っ張って連れていかれたのは教室から出て直ぐ側の廊下の隅。
教室は男の子ばかりで居心地悪く感じ、休み時間は廊下に出てこの隅に座るのが日課だったっけ。

「質問が増えましたよ、アズサさん」
不敵な笑みを浮かべるユーカ。こんなユーカは久々に見た。
久々に会ったから当然と言えば当然だろう。
しかしそういうことではないのは、まあ、この際どうでもいい。

私に質問攻めするときに出る彼女のこの表情。
どうも私はこれに弱い。この顔を見ると洗いざらい吐いてしまっていた。
だがそれも今の私には通用しないだろう。特別仲が良い彼女に対しても内緒にしたいことくらいたくさんある。 私は大人なのだから。
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