第6章 過去が今に変わる
朝のSHR。
担任は多分40なかばくらいのおじさん。担当教科は数Ⅱ。年齢のわりに少し寂しい髪の毛がトレードマーク。
明るい性格で少し生徒にいじられる扱いをされている。
独身のため 「早く結婚しろよー」なんてと茶化されると「お前らだって結婚できるとは限らねーから覚悟しろよ」と決まった台詞を吐いていた。
もう結婚したのかな、向こうに帰った2年後にこれ覚えてたら少し調べてみよう。
そして、2年後戻る自身も結婚出来るかなんてわかんないなあと担任の言葉を重く受け止めた。
ユーカ以外にも結婚した友達は多くいる。
昔はクリスマスケーキに例えられた女性の婚期。
今は違うとはいえ早く結婚したら楽だったのかなあとかモヤモヤ考えてると担任の私を呼ぶ声がした。
「タチバナ? 聞いてるか?」
「は、はい?」
「何だ、寝不足か? 転居届け出しとけ、紙やるから」
担任がピラピラとプリントを振ったので小さな注目を浴びて貰いに前に出る。
あまり目立った行動はしなかったものだからこうなった今でも妙に緊張した。