第6章 過去が今に変わる
「おはよーアズサ。今日はゆっくりだね」
2人で並んで昇降口に向かうと懐かしい声が後ろから声を掛けてきた。
2年、3年と同じクラスだったユーカだ。
彼女の声を聞くとクロサワは少し離れてそのまま1年の下駄箱へ向かって行った。
多分彼なりの気の使い方なのだろう。
そのまま彼女と教室へ向かい机に革鞄を掛ける。
最初はどうしようと悩みこんでいたが、学校に行こうと家の玄関を出た瞬間から私はある程度覚悟をしていたようだ。
学校の独特の空気感や教室の雰囲気。
懐かしいな、って思いよりかは今日の授業なんだったっけ?なんてすっかり学生気分だ。
教室の、自分の席に座り一息ついた。
すると、さっきまで聞いてた声が大きく教室へ響く。
「先輩!」