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Re:思い出

第4章 したかったこと


鞄2つが仕舞い込まれた大きめの袋を当たり前かのようにクロサワが持っている。片方の手は私の手を握ったままだ。彼の横顔を眺めながら、一昨日の学生時代、誰かとお揃いのモノを持ち歩きたかったと言ったことを思い出した。

「クロサワ君、ありがとー」
繋がれた手をほどき腕を絡ませると、そんな重くないから大丈夫なんて私の意図とは違う意味で受け取った返事をしてた。高校生ぽいってこう言うことかなーと腕を絡ませてみたものの特に反応がなかったのでそれをほどいてまた少し距離をあけて歩いた。



スーパーからの帰り道、結局私が鞄の入った袋を持っていた。思ってたより重い。
これに教科書やノートを積めて2年間過ごすのかと思ったらしんどくなった。一方クロサワは両手に半透明のビニール袋を持って平然と歩いている。私の荷物の方がいくらか軽いことも知ってる。
男の人はこんな幼いうちから男の人なんだな。そして今朝同様、車の便利さを思い知った。

今日買った物は20時頃家に届くらしい。今は16時なのでそれまでゆっくり過ごそう。
家につくとクロサワはすぐさま買ったものを片付けていた。ソファに座って煙草を吸いながらそれを見る。食材を冷蔵庫に片付け、その後どこから見つけてきたのかハサミを手に持って、これまた買ったばかりの鞄のタグを切っていた。
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