第3章 思わぬ出来事 side M
突然高校生活2年間をプレゼントされ代わりに職場のノートPCと買い換えたばかりのiPhoneが没収された。
そして何故かタチバナアズサ邸の一室を自室にと渡された。
彼女はその部屋以外は自身の支配下にある場所であることを強く言った。
1部屋やるから他の部屋を散らかすな、そして彼女自身 が散らかした場合文句を言うな、と言うことらしい。
1人暮らしの割に広いと思っていたが今の状況下にこれは非常に有難い事だった。
もし彼女がワンルームに住んでいてそこで2年一緒に過ごせなんて言われたら逃げ出していただろう。
家族に関してはどうやら接触は出来ない様で俺は彼女とこの元凶となった優男に頼って2年間を過ごすことになるようだ。
難しいことになってきた。
今更この年で学生に戻るとは思いにもよらなかった。
勉強、思い出せるだろうか。
この現実を信じ切れてないのかもしれない。どうでもいいことしか思い浮かばないのだ。
またテニスやろうかなとか、タチバナアズサと、この距離での学生生活への期待、そんな浮かれた気持ちまで現れる始末。