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Re:思い出

第1章 ここから始まった


指定されたわけじゃないけど毎朝服を選ぶのが嫌で着ているスーツに窮屈感はない。
ないというか、慣れってやつだ。毎日何年も似たような型で似たような色。

職場では隣のデスクの子に「何枚それ持ってるんですか」なんて言われるが残念、違うものだ。
同じブランドで似たような色のパンツスーツ。

スーツってわけだからブランドが違っても似たように見えるもの。
それを同じブランドで揃えてるんだ、そしてスカートではない。
パンツスーツ。余計にそう見えるのは当たり前だろう。


だが、聞け。
昨日の色は濃紺、今日は黒のストライプだ。
ついでに言えば一昨日はボタンの色も違うんだ。

そんなことを言っても「まあ、似合ってるからいいんじゃないですか」って。
はいはい、その話は終わりね。とでも言いたそうなトーンの返事に落胆する。

まあ、どうでもいいんだ。スーツというものはすばらしい。
大抵の場所に馴染めるし、着心地もいい、ドギツイ個性も出ない。


まるで学生時代の制服のようだ。
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