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Re:思い出

第1章 ここから始まった


「俺も、みてたよ。教室の窓で外見てるタチバナ先輩のこと。
 渡り廊下だけじゃなくて、中庭からも見えるんだ。
 いつも外見てるから、外が好きなんだと思ってたけど、俺のこと探してくれてたんだ」

クロサワ君の腕が解けたと同時に胸に開放感が広がる。
お前、緊張してるとか言いながらブラ外してんじゃねーよ。
だが、口にしないでおこうと思う。だって相手は高校生。私も高校生。

そういう設定なのだから。

クロサワ君の手のひらが妙に温かいのは多分、やっぱり、アルコールのせいだと思う。
胸に手を乗せるだけの状態で今度は首筋にキスをされた。

そのまま耳元で囁く。
「俺今高校生だから、がっついていいよね」

多分、これはクロサワ君ではなくクロサワの言葉だろう。
設定の為、子供らしく自分本位にがっつきますよ、ってことなんだろうか。
まあ、そういうのも面白い経験だろうから頷いた。

クロサワ君は自身の着ていたワイシャツをインナーごと脱ぎ捨てる。
「先輩とこんな風になれるなんて思ってなかった」

やわやわと胸を触る。ふいに先端を舐められ身構えると
「タチバナ先輩かわいー」だなんて言って笑った。先輩って言葉がくすぐったい。

胸を触るのに飽きたのか片手が腰に伸びていった。
胸の先端を舌で転がしながらその手は太ももに伸びていった。

すごく頭がふわふわした。いや、これはふわふわしすぎだろう。
いくらなんでも此処までふわふわしたことはない。
これは快感ではなく睡魔ではないかと思ったところでワントーン下がった声が上から零れてきた。



「ごめん、タチバナさん。すごい失礼だと思うんですけど、なんか少し眠くなってきました」

クロサワ君がクロサワに戻ってそう呟いた。

「それは奇遇。私もなんだかすごく眠い」
「起きたら続きしていいですか?」
「お互いがその気だったら」
「じゃーそうなるように抱っこして寝ますね」

クロサワの腕が私の腰に回って向かい合ったところまでは覚えている。
瞼が重すぎて目を開けることが出来ないくらいの睡魔。

眠りに落ちるの、落ちるってこの感覚なんだ。って身を持って知った。
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