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それでも僕らは。【 Free! 】

第2章 おかえり。


思い出に切なげにくすりと小さく笑う真琴。



真琴(……本当、そうできたらどれ程いいか………)



そう思いながら隣で話す彼女を見つめていると、視線に気づいた悠は真琴を振り返る。



「……まこちゃん?何か…元気ない?」



心配そうに自分の顔を覗きこむ悠に笑顔を向け、首を振った。



真琴「ううん。…大丈夫だよ?悠と一緒にいるんだもん…元気に決まってる。」


「………そう?何かあったら言ってね?まこちゃんのためなら何でもするから!」



目の前で意気込む悠に真琴は笑みがこぼれた。
そして、同時に抱く複雑な思い。



真琴「…ありがとう。悠」
真琴(俺のために、何でも……?……本当に何でもしてくれるの?)



遙は黙ったまま二人のやりとりを見ていた。



遙「…………。」



「あっそうだ!凜って鮫柄学園だったよね?明日会いにいく約束してるの♪まこちゃん、後で行き方教えてくれない?」



真琴「えっ明日行くの?」


「え?…そうだよ?」


遙「俺たちも、明日鮫柄との合同練習であっちに行く。」


真琴「そうゆうわけ。だから、悠も一緒に行こう?渚や江ちゃんもいるし!」


二人の名前を聞いた悠はパァッと目を輝かせた。



「なーちゃんに江ちゃんも!?行く行く!一緒に行きたい!」



嬉しそうに顔を綻ばせ笑う悠を二人は微笑ましく見つめていた。



真琴(……可愛いなぁ。…本当。)

遙(……可愛い。)



「ふふっ明日の楽しみが増えちゃった♪」



真琴は繋いでいた手を離し、その手で悠の頭を優しく撫でた。
悠はそれに嬉しそうな笑顔を返す。

すると、ぎゅっ、と遙と繋いでいる手に力が加わった。
悠が遙を見ると小さく微笑む遙と目が合い、悠も笑顔になった。




気がつくと真琴の家まであと少し




心なしかスピードが緩んだ3人の歩み。




後ろには手を繋ぎ歩く3人同様に仲良く並ぶ3つの影がアスファルトに伸びていた。
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