第2章 おかえり。
真琴の家に着き、真琴がただいまの声とともに玄関の戸を開けると、直ぐに蘭と蓮が飛び出してきた。
蘭/蓮「お兄ちゃんおかえりぃーー!!」
真琴「ははっ、ただいま。蘭、蓮。」
勢いよく真琴に飛び付く二人だったが、その視線の先にいる人物に気づくと目をキラキラとさせ、笑顔になった。
蘭/蓮「悠ちゃんだぁーーー!!!」
二人は真琴から離れると勢いよく悠に飛び付いた。
「蘭っ蓮っ久し振___っ!わっ!?」
その衝撃で悠の体が後ろへと傾くが、悠の後ろに立っていた遙によって、支えられた。
悠は背中に遙を感じながら、振り返り彼の目を見るとふわりと笑った。
「…ありがとうっハルくん。」
遙「……別に///」
蘭「蘭、ずぅっと悠ちゃんに会いたかったんだよぉ!だから、今日はずっと一緒にいるぅー!」
ぎゅうぎゅうと抱きついてくる蘭を優しく撫でながら、悠は微笑んだ。
すると、同じく悠に抱きついていた蓮が、僕も僕も!と頭をぐりぐりと押し付けてきた。
「ちょっ蓮!くすぐったいって……あははっわっ!__きゃあっ!」
くすぐったさに身をよじると、バランスを崩し悠は二人に押し倒されるかたちになってしまう。
慌てて真琴が悠に手を伸ばすが、倒れてもなお抱きついている二人はなかなか離れようとしなかった。
遙はふぅ、とため息をつき少し離れたところからその様子を見ていた。
真琴「こらこら、二人とも悠が潰れちゃうよ~?降りてあげて?」
蓮「えーっやだぁ~!僕、悠ちゃんと離れない~!!」
蘭「やだやだ!蘭、悠ちゃん大好きだもんっ!」
一向に離れようとしない二人に、真琴は首の辺りを掻き、ため息をついた。
そして、遙と真琴は見合わせると、同時に蘭と蓮に手を伸ばし悠から引き剥がした。
すぐに聞こえた二人の抗議の声。
真琴と遙は困ったような笑みを浮かべながら、肩をすくめた。
真琴「わかるけどさ。でも、こんなとこで寝転んでるわけにもいかないでしょ?」
遙「……大丈夫か?悠…?」
遙が手を伸ばすと悠は笑顔で頷く。