第11章 作成中
「うまっ!マジ美味いよ!」
「本当?よかった、お口に合ったみたいで」
「今まで食った中でダントツ美味い」
「悠くん、大袈裟だよ(笑)」
料理を頬張りながら褒めてくれるのは、夕飯が仕上がるのと同時に帰宅した悠輔。練習終わりでお腹が減っているのだろう、凄まじい勢いで食べている。
「いや、本当に美味しいよ。料理上手だね、とも」
「全然!絶対琇くん達の方が上手だもん」
「そんなことないって。こんな美味しく作れないよ。ね、功」
「うん」
まさか即答してくれるとは思わず、反動で功平に目を向けた。私の視線に気づいているのかいないのか、彼はそのまま食べ続ける。
「ともー、うまいー!」
「本当?ありがとね、陽太」
ニコニコしながら食べてくれる陽太は、一口食べる毎に美味しいと伝えてくれる。もう可愛くて仕方ない。
「あー、美味かったー。ご馳走様でした」
「ふふ、お粗末様でした」
リビングのソファに寛ぐ悠輔、陽太、竜、私の4人。
食事を終えて食器を洗おうとする私に、休んでて、と洗うのを代わってくれた琇。功平はシャワーを浴びにお風呂場へ。陽太は私の膝に座って私の髪の毛で遊んでおり、隣に座る悠輔は苦しそうにお腹を押さえながらソファに大きく凭れ掛かっている。因みに竜は悠輔と私の間。
「それにしても悠くん、凄い食べるね」
「育ち盛りだからね。それに、やっぱ美味いご飯は無意識に箸が進む」
「だから悠くん、大袈裟だって(笑)」
「いやいやマジで!確かに普段からよく食べる方だけど、今日は更に食ったもん」
おれもー!とすかさず反応する陽太に2人で笑っていると、食器洗いを終えた琇が私の隣に座った。
「今日は本当に色々ありがとね。夕飯、悠達が言ってる通り本当美味しかったよ」
「琇くんも食器洗いありがと。そう言って貰えて嬉しいな、本当に皆優しい〜」
「優しいとかじゃなくて本心だからね」
「そうそう。ともは謙遜しすぎ」
「けんそんってなーに?」
「ともみたいな人のことだよ」
「もう、悠くん!陽太に適当なこと教えないで!」
食後の安らいだ空間での談笑。何とも居心地がいい。意味を理解出来ていない筈の陽太、そして竜までもがつられて笑顔になっている。
私にとって、特別な時間を過ごせた1日だった。