第4章 対面そしてご挨拶
「俺が洗うんで、ともみさんはゆっくりしてて下さい」
「いやいや、ご馳走になったんだもん、そんな訳にはいかないよ。悠輔くんの方こそゆっくりしてて」
お礼に食器洗いだけはさせて欲しいと懇願した私に渋々折れた功平は、只今陽太とリビングで寛いでいる。そちらを指差せば、悠輔くんはそんな訳には・・・と、やっぱり隣にいてくれるようだった。
最終的に、私が食器を洗い、彼が乾燥カゴに入れるという役割になった。
「悠輔くん、サッカー部に入るんだってね。頑張ってね!」
「はい。ともみさんとは入れ違いなんですよね?」
食事中の会話で、私の高校に入学するのが悠輔くんであることを思い出し、急に親近感が湧いた私は緊張もだんだん解れていった。それは彼も同じだったようで、今ではお互い難なく話せるようになっていた。
「そうなの。残念だな〜・・・」
「俺もです」
「え、本当?そう言って貰えると嬉しいなぁ。・・・あ、そうだ。私に敬語使わなくていいよ、あと“さん”もいらない」
悠輔くんは何だか話しやすく、敬語さえ取っ払えばもっと仲良くなれそうな気がした%E