第1章 あなたにあげる、リンドウを
「でさぁー俺が言ったわけよ、俺は仕事と比べる方がオカシイって」
はいはい、よくある 仕事と私どっちが大事なの!ですね。
「おまえ、さあ、林檎と梨比べるならわかるけどさぁ。
パソコンと布団、どっちが大事かきいてるようなもんでしょ?」
意味が分かりません。
「でもさー、俺だったら、たぶん、パソコン選ぶなあ」
結局あんたも選んでるじゃん。
そんなわけでグダグダになったアキトの愚痴を明け方まで聞いてた。
高校のときからの携帯番号は変えてたので一応伝えたりもした。
結局その日の最後は、高校のとき楽しかったよなあって懐かしい話で終わった。
それからだ、アキトが私に電話をかけてくるようになったのは。