第1章 あなたにあげる、リンドウを
そもそもこんな関係になったのは就職して2年くらいのこと。
たまたまアキトが振られる姿を駅前で目撃してからだ。
あれは天気のいい土曜日だった。
なんの予定もなかったがその天気につられ外出した。
することがなくてひたすら街ををぶらぶらとしていた。
それに飽きて家へ帰る途中
夕日がとても綺麗でつい空を見上げたっけ。
駅前は結構人通りが多かったような、気がする。
そこでアキトと再会をした。
結構可愛い女の子がものすごい勢いで怒っている。そして少し機嫌の悪そうなアキト。
このカップルの片割れが自分の知り合いだと気付いた私は知らない振りをして通り過ぎようとした。
その瞬間アキトが女の子に思いっきりビンタされてた。
つい、立ち止まってしまった。