第2章 3ヶ月に1度の内緒の話。
私の腕を上から押さえつけて唇を重ねる。
触れるだけから深いものへ変わっていく。
歯列をなぞりそのまま舌を絡める。
時折洩れる小さな呼吸音と絡まる音だけが聞こえる。
アキトの手が私の胸元へ行き、唇が離される。
私の目に掛かった前髪を優しく横に流し、今度は首筋に軽く口付ける。
「痕、つけたらぶっ殺す」
「りょーかい」
痕跡は残さない。
これはこれまで何回も二人で肌を重ねて出来たルールだ。
痕跡をつけないかわりにアキトは首筋を軽く舐め上げる。
ぞくっとする、この感じがクセになる。
「アズサ、アルコールの匂いしかしない」
服のボタンが外されて、ブラが上にずらされ、アキトの、意外と大きい手が私の胸を包む。
優しく触れる手はただただ、私を焦らすだけだ。
「ワイヤー、傷むから外して」
色気のないお願いをすると、アキトは鼻で笑った。
私の体を片手で軽く持ち上げて背中のホックを軽々と反対の手で外した。
「自分で外せって言うなんてとんだbitchだね」
「アキトはチャラいね」
そのまま、また寝かされたと思えばアキトは私の鎖骨に噛み付いた。
文字通り、噛み付く。
多分チャラいってのが癇に障ったんだ。