• テキストサイズ

冬の夕空

第9章 殺して


「……この店で働いてました」

うまく声が出なかった。
後ろの男が私の顔をのぞきこむ。こっちは少し若い。

「俺たちここのオーナーに金貸してたんだ。どこ行っちゃったのかな、オーナーは」

「……知りません」

そう答えると中年の男に顔を殴られた。口の中に血の味が広がる。

「ほんとに……しらないんです……」

涙があふれてくる。

「じゃあ、この娘に返してもらっていい?」

若いほうの男が言う。

「好きにしろ」

中年の男が答える。

「わたしお金なんて」

「身体で返してね」

若いほうの男が私を床に押し倒す。

「やっ、やめてください」

逃げようと必死で身体を動かしても全然動けなかった。横を向いて泣いていると、上にのっている男が私のあごをつかんで上を向かせる。そしてニヤッと笑って言う。

「泣かれると萌えるからもっと泣いていいよ。あははっ……」


/ 78ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp