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冬の夕空

第6章 たましいあげる


どうしよう……。
ついさっきまでうれしかったのに、急に怖くなってきちゃった……。

私は思わず彼の腕をぎゅっと握った。

「だいじょうぶ。身体の力抜いて」

彼がそんなにやさしい声が出せたんだという声でささやいた。

「……はい」

そしてゆっくりと先のほうが入る感触がした。

「あっ。うぅん……」

「痛い?」

「う、ううん。痛くないけど……」

「けど?」

「なんか入ってくる感じ」

「入れるんだよ」

唇にやさしくキス。

「ゆっくり息吐いて」

彼に言われてゆっくり息を吐くと、それに合わせて全部入れられた。

「んっ……! いやぁ……」

「いや?」

いやじゃない。もちろんいやじゃないけど……。

私は頭を横に振った。

「痛い?」

そう、痛い。

うんうん、と私はうなずいた。

「身体の力抜いて。ゆっくり呼吸して」

彼が耳元でささやく。
うまく呼吸ができない。
身体の真ん中に息が止まるようなすごい感覚がある。

「だいじょうぶだよ」

そう言いながら彼は私の耳たぶをくわえる。舌先でそっと耳をなぞる。

「はぁっ。んっ、はぁっ……」

ため息がもれてくる。
息を吐くたびに身体の真ん中にあるすごい感覚が、少しずつ身体全体にひろがっていく。手や足の指の先までに。その感覚に思わず彼の肩をぎゅっとつかむ。

唇にキス。舌をからませたディープキス。
身体の真ん中は痛いんだけど、口の中はやっぱりすごく気持ちいい……。
ミシェルとつながったままキスしてると思うと……、なんかすごい。
身体の中に入ってる……。


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