第3章 燃える夜空
「私、どうなるんですか?」
私はまず聞いてみた。少し声が震えた。
彼は立ったまま壁にもたれ、静かに微笑んだ。
「べつに。どうもならない」
どうも……ならない?
「ただ、お願いが3つほどある」
お願い? 私は彼の瞳をそっとのぞきこんだ。
するとミシェルは言った。
「僕は何者だと思う?」
「……」
「悪魔なんだ」
「……」
「でも君に話せるのはここまで。以後この件について何も聞かないで欲しい。僕らにもいろいろ事情があるんだ。これがひとつめのお願い。いいかな?」
「……はい」
ミシェルは答えに満足したように、にっこりとうなずく。
「ふたつめのお願い。僕の正体……つまり悪魔ということを誰にも話さないで欲しい」
「……はい」
誰に話せばいいかわからないし……。
「みっつめのお願い。今までのように、この部屋にまたお茶を飲みに来てもいい?」
私は一瞬何を言われているのかわからなくなった。
しばらく考えてから「はい」とうなずいた。