第2章 俺だけじゃ、足りないの?
「カナタが邪魔してくるからね」
「アズサが誘うから悪い」
ほら。テレビ見ずに俺の顔見てんじゃん。上目遣いしてさ。
おとなしく俺の腕ん中入ってるからスイッチはいっちゃうでしょ。
「誘わないよ。ほらこのシーンのカメラワークがさぁ」
可愛い顔でこっち見ておいて映画の御託を並べるから、ついつい手が出る。
家の中だから薄着だし、寝転んでるものだからスカートの裾だって捲り反ってる。
出掛ける予定じゃないから普段より薄い手の抜いた化粧とか、整髪料のついてない髪とか、
こんな緩い感じの服装とか、ハルカはまだ知らないだろうからそれが俺のなかで優越感になる。
少しかさついた唇すらも可愛く見える。
それを潤すように舐めるとアズサは俺の顔を引き離す。
「邪魔しないでって」
「嫌がってないじゃん」
いつもと同じ。
身体を起こしてからアズサを組み敷いて腕を掴んで自由を奪う。
アズサが軽く笑っている。その口に自分の唇を重ねた。
笑ってられないくらいに深く口付け、腕を掴んでいた手を胸元に移動させた。
時折洩れるアズサの小さな声が、小さな反応ひとつひとつが映画なんかと比べものにならないくらい俺は好きだ。
まあ映画なんかすきじゃないけどさ。
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